更新が遅れました.
12月9日,10日に南山大学で開催された「都市のOR」ワークショップ2017で発表しました.尤も,発表したのは共著者の方で,私は最適化計算を担当したのですが.
杉本淳(愛知県庁),井川博(帝京大学),荒川俊也(愛知工科大学),土谷隆(政策研究大学院大学): 地方自治体の長期的公共インフラ管理政策立案とOR的手法の活用についての考察 - 愛知県の橋梁管理を例として -
愛知県の豊田市とみよし市を対象として,長期的なインフラ管理方法の発掘を目的とした研究です.橋梁システムを対象として,施設総量を適正化することを目的とし,維持する(削減する)橋梁の最適な組み合わせを見つけるために「消防署から各世帯への到着時間」を目的関数とした最短経路問題を解いています(節点数19,068,枝数25,907).「流石にこの橋梁は削除するとまずくないか?」というのはあるものの,豊田市とみよし市の橋梁680橋のうち,48橋を削減すれば,目的関数は3秒の増加,ライフサイクルコストは30%削減されるという結果が得られました.かなり実践的な問題を扱っていたこともあり,非常に関心を持って頂けたようです.(目的関数は,車両移動時間のみの数値で,通報を受け出動するまでの時間を加味すると,少し少ないものの,妥当)
今回初めてOR学会のワークショップに参加したのですが,非常に面白かったです.ORも少しずつ勉強して何か面白い実問題を扱っていきたいと思います.