2015年11月27日金曜日

学生2名が計測自動制御学会中部支部オープンラボ・若手研究発表会で発表しました

昨日は私は自動車技術会エレクトロニクス部門委員会で発表でしたが,
実は,ほぼ同時刻に,学生2名が,トヨタ産業技術記念館で開催された,
計測自動制御学会中部支部オープンラボ・若手研究発表会で発表していました.

様子見で計測自動制御学会に行きたかったのですが,発表した2名は,
本学で行われたITSシンポジウムでも発表しており,そこそこは慣れただろうということを期待し,
2人だけで現地まで行かせ,発表させました.

発表テーマは次の通りでした.

大井邦彦,荒川俊也:自動運転技術におけるドライバの依存について
多治見謙成,荒川俊也:運転時におけるスマホ操作の危険性検証

今日大学に出勤して様子を聞いたら,関心を持って聞いてもらえた,
鋭い質問が多かった,これからの卒研に反映させて行きたいとのこと.
関心を持ってもらえたのは良いことです.

更には,発表することがだんだん楽しくなってきた,と言っていました.

私が,研究が不十分過ぎるこの時期に敢えて発表させた狙いはここにありました.
これから社会に出て上司や同僚の前で技術説明をすることが多々あるだろうから,
自分の技術を如何にわかりやすく説明できるか,また,その必要性を,
十二分に理解してもらいたい,また,人前で話すことの楽しさを知ってもらいたい,
という狙いでした.

これを機に卒論もしっかり頑張ってくれることを期待しています.



ちなみに発表者はトヨタ産業技術記念館の見学がタダでできたそうなので,折角の機会なので,見学もしてもらいました.
満足したようでした.

2015年11月26日木曜日

自動車技術会エレクトロニクス部門委員会で講演しました

とあることが切っ掛けで,自動車技術会エレクトロニクス部門委員会で講演(情報提供)することとなり,
本日,首都大学東京の秋葉原サテライトキャンパスで行われた委員会で講演しました.

内容としては,自動運転技術でこれから検討しなければならない内容ということで,
マニュアル運転と自動運転の切り替えに絡めてドライバ状態検出技術の研究と,
自動運転における「過度の依存」の発生をドライビングシミュレータを用いて評価した
簡単な実験の結果に関する報告でした.

時間がかなりタイトでしたので,具体的な質問は懇親会で,という形になりましたが,
非常に関心を持って下さった方が多く,大成功と(個人的には)思える内容でした.

メーカーの方でも,自動運転のヒューマンファクタの観点から,負の側面を意識する必要がある,
という意識を持っておられる方もおり, 今後この当たりの話も色々と出てくるかも知れません.

荒川研究室での当該研究はまだ始まったばかりで,暗中模索的な様相を呈していますが
(というより,まだ全然良い研究とは言えない…)
少しずつ進めて行き,積極的に発表して行きたいと思います.

2015年11月24日火曜日

あいちITSワールド2015で出展しました

11月20日(金)〜23日(月)に,ポートメッセなごやで「あいちITSワールド2015」が開催されました.
本学からは小塚研究室,宇野研究室,板宮研究室,荒川研究室の4研究室が出展しました.

今年は3連休中に開催ということで,多くの方が来場されました.
私はSSI2015の発表が20日まであり,21日の夕方に函館から直接会場入りし,
22日(日)は午前中のみ説明員を務めたので,ピークの時の混雑の様子は
実は把握できていません.

ですが,22日にモーターショウを少し見学した様子では,結構な混雑の状況でしたので,
ITSワールドの混雑も推して知るべし,という所でしょうか.

荒川研究室はいつもの如くステアリング装着型連続血圧計の展示を行いました.
関心を持って頂けた方が多く居られ,量産の目処は立っているのか,という声も多く聞かれました.
ですが,この展示物はもう展示を開始して1年近く経ちますので,
そろそろ新しい展示物を考えなければなりません…

今後も東海地方を中心とした展示会で展示を進めて参ります.




2015年11月20日金曜日

SSI2015で発表しました

11/18(水)〜20(金)に函館アリーナで開催された
「計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会2015」で発表しました.

今年の発表テーマは次の通りでした.

「自動運転技術におけるドライバのレジリエンス」(荒川俊也(愛知工科大学))
「機械学習によるシバヤギの発情行動推定手法の提案」(荒川俊也(愛知工科大学),遠藤なつ美(東京農工大学),田中知己(東京農工大学))
「節電はなお続いているか? - 夏季電力需給量のモデリングとAICによる検討 - 」(荒川俊也(愛知工科大学),土谷隆(政策研究大学院大学))

引っ切り無しに質問を受けたという訳ではありませんが,
少なからず関心を持って頂けたようで,発表した甲斐がありました.

また,今回の発表や聴講を通じて,様々な方との出会いがありました.
今後どのような形で繋がっていくかはわかりませんが,この御縁を大事にして行きたいものです.
参加して本当に良かった講演会でした.

今年度の発表はこれで終了です.やっと少し落ち着けるかな.
(まだ招待講演やセミナー講師などがありますが…)




2015年11月13日金曜日

シバヤギの研究についてのお話

昨年から,東京農工大学の臨床繁殖学研究室と共同研究で,シバヤギの行動解析に関する研究を開始しています.

きっかけは昨春に中京圏の新聞と静岡新聞で取り上げられた私の研究成果です.
私の博士論文の内容であるマウスの行動の自動推定に関して発展させた内容,
マウスのトラッキングから行動の推定までを行うフリーソフト,"Duomouse"の開発が
Journal of Neuroscience Methodsに掲載されたのですが,
非常に面白いということで,学長の指示で,プレスリリースすることとなりました.
その結果,研究成果が,中日新聞,東日新聞,静岡新聞に掲載されました.

私はずっとマウスを対象にしてきたのですが,ヤギやウシなどの大型動物の行動解析で,
Duomouseのように工学的手法を取り入れた例は余り見られない,
同じ,もしくは改良したアルゴリズムを使って行動推定ができれば非常に助かる,
ということで,大型動物を対象とした行動自動推定の研究が始まったという訳です.
特に発情期の判定ということに使えると非常に画期的なのだそうです.

マウスの場合は,
「無関心行動」「性器(匂い)嗅ぎ行動」「追随行動」「攻撃的追随行動」 「攻撃行動」
の5パターンに(我々の研究では)分類しているのですが,
「攻撃的追随行動」「攻撃行動」は発現の頻度が非常に少ないこともあり,
現在は,「無関心行動」「性器(匂い)嗅ぎ行動」「追随行動」の3つの行動を機械学習で
分類する,ということにしています.

一方,例えばヤギの場合は,雌のシバヤギを基本として,雄のシバヤギのパドックへの
接近の様子について検討しており,発情を例に取れば,「非発情」「雄パドックへの接近」「雄パドック付近で静止」
というように,雌のシバヤギの行動を分類すれば,これまた3つの行動と分類できます.
そのため,雌シバヤギの行動の特徴量を上手く抽出すれば,マウスの場合と同様のアルゴリズムで良いのです.

ですが,この特徴量の抽出が結構厄介なのです.
全く発情していないにもかかわらず,雌シバヤギが雄シバヤギのパドックに興味本位で近づいたり,
突っ立っていたりするケースが結構多いなど,なかなか一筋縄ではいきません.
「こんな感じの物理量で検討すれば良いか」と決め打ちしてみても上手く行かないのです.

そんなこともあり,先日,東京農工大にお邪魔して,ヤギ舎と牛舎を拝見しました.
見ると聞くは大違いと言うのはまさにこのこと.
ヤギ,ウシともに想定したよりも行動が複雑でした.
さてどのような物理量を以って機械学習させるか,ますます悩む結果となりました.
その一方で,現在進めているトラッキングを基本とした検討以外にも,
様々な要素(例えば鳴き声など)からヤギやウシの行動の検討もできるのではないか,
などと色々なアイディアが出てきました.
行動だけでなくヤギ同士の力関係(ヒエラルキー)の推定など,
ひょっとしたら変わった知見も得られるかも知れません.

何れにせよ,獣医学(農学)と工学+統計科学のコラボということで,
独特で面白い成果が出せるように,この研究を大事にして行きたいと思います.





2015年11月12日木曜日

講習会「生体計測の技術動向と応用事例」を開催しました

株式会社情報機構様主催の講習会において,
「生体計測の技術動向と応用事例~測定・解析のポイントと計測データの活用方法」
というタイトルで講師を務めました.

今回は7名の方にご参加頂きました.
生体計測の基礎の話ですが,NIRSや唾液アミラーゼの話なども混ぜて,
生体計測の意義,勘所,長所と短所についてわかりやすく説明しました.

前回の株式会社テックデザイン様の講習会の時も同様だったのですが,
快・不快を判定するにはどうしたら良いか,ということに興味を持つエンジニアの方が目立ちました.
この辺りの話は,色々な論文が出ており,なかなかコレと言った話(このやり方が最適,という言い方)ができないので,
答えに非常に悩みます.
まあ,そのままストレートにお話して,納得して頂くのですが,未だに非常にニーズがある印象です.

昨年末から技術者向けの講座の講師を務める機会を頂いていますが,
やはり,安くはないお金は支払って来ていることもあるせいか,真剣さが学生とは違います.
とにかく知識を吸収しようとする意気込みが凄いです.
こういう意気込み,学生諸君も是非見習って欲しいと思います.

来月は株式会社トリケップス様において,5月に実施したセミナーの再演となります.





2015年11月6日金曜日

第4回愛知工科大学ITSシンポジウムを開催しました

昨年に引き続いて,第4回愛知工科大学ITSシンポジウムを開催しました.

今年度は東北大学から山邉茂之准教授,名古屋大学から二宮芳樹特任教授をお招きし,
基調講演をお願いしました.


その他,本学の教員の講演もあり,本学の宇野教授,板宮准教授,尾林研究員,私が
講演しました.

私は昨年とはガラリとテーマを変え,今年の科研費のテーマである,
「ドライバ・レジリエンス」というテーマで,自動運転のネガな話と,
依存に関する実験結果を簡単に紹介しました.

話の落とし所は,
「マスコミが取り上げている自動運転の華々しい面だけではなく,
ネガな側面もあるということを十分に把握して,上手く付き合っていく必要がある」
というものです.
その一環でドライバは自動運転に対して依存する可能性がある,
ではそれはどんな感じで起きるのだろうか?ということを,
本学のドライビングシミュレータを用いて簡単に検証した結果を出しました.
3年計画の研究なので,来年は,システム破綻とドライバの技能復元までの過程を
検証したいのですが,そこまで無事行けるか…?

シンポジウムではポスター発表も行われ,ポスター発表の部には本学以外にも,
愛知県立大学と名城大からも発表頂きました.

荒川研究室の学生は2名何とかポスター発表に持ち込むことができ,
大井邦彦君と多治見謙成君に頑張って発表してもらいました.
それから小塚研の院生で荒川研ゼミ生の杉江亮輔君も小塚教授の意向で急遽発表でした.
3名ともよく頑張ってくれました.

かなり急ピッチで仕上げたのですが,来年就職することになっている2人には,
このような場で色々と議論する,想定外(まさしくレジリエンス的な言葉!)の質問に
機転を効かせられるか,という訓練をしてもらおうと,今回多少無理くりですが
発表してもらいました.
少し心配でしたが,その懸念も杞憂に終わり,しっかりと対応していました.
彼らにはもっとデータを集めて解析した上で,26日の計測自動制御学会中部支部の若手研究会でも
発表してもらう予定です.

大井君,多治見君,杉江君,大変ご苦労様でした.